💻 大学DX推進ブログ:AzaBot動画マニュアル制作奮闘記!~利用者目線で広がるDX~
序章:DXを「自分ごと」にするための挑戦
大学のDX(デジタルトランスフォーメーション)は、新しいシステムを導入するだけでは完了しません。最も重要なのは、学生や教職員に「使ってもらう」ことです。
2025年9月に学内向けに配信し、好評を博した「NotebookLM徹底活用術」動画に続き、今回私たちが着手したのは、学内AIチャットボット「AzaBot」の解説動画マニュアル制作です。AzaBotは、学内の手続きや情報提供を効率化する強力なツールですが、どれだけ優れた技術でも、「使い方がわからない」「どこで聞けばいいか迷う」といった障壁があれば、その真価を発揮できません。
そこで私たちは、「AzaBotを誰でも迷わず使えるようにする」ことを目指し、事務職員自らの手で、解説動画マニュアルの制作プロジェクトをスタートさせました。これは、利用者目線の情報提供を強化する、DX推進の第2弾プロジェクトです。
企画編:AIを駆使した企画立案と「人×ロボット」の対話形式へ
💡 プロデューサー業務にもAIを活用!
今回の動画制作では、企画の段階からGoogleのAI(Gemini/ジェミニ)を積極的に活用しました(このブログも)。動画の企画案の方向性、タイトな制作スケジュールの骨子、さらには視聴者の興味を引くための**構成案(起承転結など)**の検討において、Geminiを活用することで、短期間で質の高いアウトプットを得ることができました。これにより、事務職員チームが本質的な企画内容や、AzaBotの技術的な側面に集中できるようになりました。
🤖 AzaBotのキャラクターも自作!
動画の主役であるAIチャットボット「AzaBot」のイメージキャラクターは、生成AIを用いてアニメーションを作成し、さらに合成音声ソフトで声を当てて制作しました。これにより、無機質になりがちなマニュアル動画に親しみやすさを加え、視聴者の皆さんにリラックスして内容を理解してもらう工夫を凝らしました。

📝 台本作成:親しみやすさのカギは「対話形式」
動画のコンセプトは、親しみやすさを追求した**「人(事務職員)×ロボット(AzaBot)」の対話形式**です。利用者が抱く疑問を「人」が投げかけ、「AzaBot」が分かりやすく回答するというストーリーを採用しました。
脚本担当者は、利用者が持つ「なぜ?」「どうすればいい?」という潜在的なニーズを掘り起こし、対話形式の台本を10月中に書き上げました。
制作編:スケジュール遵守と「現場の知恵」
🎬 撮影:高度な目標を「現場の工夫」で実現
脚本完成後、11月前半に撮影を敢行しました。今回の動画制作でも、「NotebookLM徹底活用術」に引き続き、演者の動作とスライドを一つの画面に収めるという目標を設定しました。特に、視聴者が見やすく分かりやすい解説を実現することを目指しました。
この目標を達成するため、特別な映像機材ではなく、PCの画面録画機能と、事務室にある備品や無料で利用できるソフトウェアを組み合わせたソリューションを構築しました。(技術詳細はコチラ)、
具体的な機器・ツールは以下のとおりです。
- OBS Studio (Open Broadcaster Software):映像と音声を統合し、複数ソースの同時配信や柔軟なシーン構成を実現する無料配信ソフトとして活用しました。
- NVIDIA BROADCAST:RTX GPUを搭載したPCで利用できるAIアプリです。このアプリのバーチャル背景機能を活用することで、グリーンスクリーンを使わずに演者をスライドの映像の中に合成し、演者の表情や動作をデータとともに伝えられる動画を実現しました。
- IWB (インタラクティブホワイトボード):リコー製のインタラクティブホワイトボードを使用し、プレゼンテーション資料を大画面に表示。演者が画面を直接操作する様子を録画することで、リアルな操作感を再現しました。
これにより、コストを最小限に抑えつつ、プロフェッショナルな品質と「事務職員の視点」を両立させました。実際に窓口で対応する職員が演じることで、セリフや操作説明にリアリティと説得力が生まれています。
✂️ 編集・確認:利用者目線でわかりやすく
11月後半は編集作業です。撮影した素材はAdobe Premiere Proを用いて編集し、テロップやBGMを加え、分かりやすいマニュアル動画へと仕上げていきました。動画編集をスムーズに行うには、相応のパソコンスペックが要求されますが、本学では幸い、グラフィックボードを搭載した高スペックPCが備品としてあったため、それを活用しました。
そして、公開に向けては、利用者の方々が本当に理解できるかという視点を最も大切にしました。職員同士で何度も動画を見返し、説明の分かりやすさや画面操作の正確性を一つひとつ確認。事務の現場で培った「利用者への伝え方」の知恵を結集させ、マニュアルとして通用する品質を目指しました。
結び:そして迎えた公開へ!
全ての工程をスケジュール通りに進め、無事に12月前半に動画を公開することができました。
この動画は、単なるマニュアル動画ではなく、**「DXを推進するのは、システムではなく、それを利用し、支える私たち人間である」**というメッセージを込めた私たちの決意の結晶です。今後も、利用者の声を聞きながら、さまざまなツールの活用術を情報発信していく予定です。
ぜひ、この動画をご覧いただき、AzaBotを積極的に活用してみてください。ご意見やご感想もお待ちしております。