アンシンサイト
成績配布のデジタル化保護者等向けサービス
概要
麻布大学では、2025年3月25日に保護者向けポータルサイト「アンシンサイト」を正式リリースしました。このシステムは、ステークホルダーであるご父母様などに対してポータルサイトを提供するもので、学生の修学状況、成績、学納金状況、大学のプレスリリース、父母会情報などを一元管理し、サービスを向上させることを目的としています。

【図1:アンシンサイト・ホーム画面】
導入した経緯
本システムの導入は、令和5年度第8回教育研究会議(令和5年12月13日開催)にて、学長方針として示された重要な取り組みから始まりました。
学長方針の背景:
- 成績等の郵便物の誤発送のリスク低減
- 教職員の負担軽減
- 情報の共有化などの観点
- 保護者が学生の学習状況を確認できるシステム・仕組みの必要性
この方針を実現すべく、事務局では部署横断型の教務DXプロジェクトを結成、複数のシステム導入を検討した結果、既存の基幹教務システムをオプションサービスにて拡張可能な「アンシンサイト」の導入を決定しました。
特徴
主要機能
アンシンサイトには以下の機能が搭載されています:
保護者用画面:
- ホーム機能:利用者が最初に見る画面で、各種情報を集約して表示
- お知らせ一覧:各種グループや個人宛のお知らせ配信に対応、学校全体向けの配信やログインなしで閲覧できる緊急時の配信も可能
- 出欠参照:学生の出欠情報を公開し、履修講義の出欠状況を確認することができる
- 成績参照:学生の成績通知書をダウンロードすることが可能(レイアウトは職員が印刷するデータに準拠)


【図2:アンシンサイト・保護者用画面】

【図3:アンシンサイト・成績フォーマット】
管理者用画面:
- カレンダー管理:学内の行事をカレンダー情報として管理
- ユーザー管理:保護者の基本情報を管理、ID・初期パスワードの発行など
- お知らせ管理:保護者へのお知らせを作成・配信
- 成り代わりログイン:職員が保護者に成り代わってログインし、メンテナンスや事前準備・確認等を行うことが可能
システム構成
開発体制:
- 開発期間:2024年6月〜2025年3月
- 開発パートナー:株式会社システムディ、パーソルクロステクノロジー株式会社
技術仕様:
- 基盤:Microsoft Azure環境
- 既存のAVD(Azure Virtual Desktop)環境と連携
- セキュリティを重視した設計で、保護者ユーザーのみアクセス可能
効果
利用実績
登録・利用状況(2025年4月時点):
- 登録ユーザー数:1,964名
- 3月25日〜4月17日までのシステム利用者数:371名
期待される効果
1. リスク低減
- 成績等の郵便物誤発送リスクの大幅削減
- 個人情報保護の強化
2. 業務効率化
- 教職員の負担軽減(印刷・郵送作業の削減)
- 問い合わせ対応の効率化
3. サービス向上
- 保護者がリアルタイムで学生の状況を確認可能
- 情報共有の透明性向上
- 大学の学生情報に対するオープンな姿勢の表明
4. コスト削減
- 印刷・郵送コストの削減
- 人的リソースの最適化
今後の展開
2025年度の取り組み:
- 成績配付の完全デジタル化
- 2025年度前期成績から、紙による成績表郵送を廃止
- アンシンサイトへの一元化を実現
- コミュニケーション強化
- アンシンサイトの「お知らせ機能」を活用した学内ニュースの配信
- 保護者・学資負担者への連絡手段としての活用拡大
- システム最適化
- 試行期間として教務DXプロジェクトが2025年度運用を実施
- その後、関係課への移管準備を進行
- 新規DXプロジェクトの検討
- 東北大学DXアライアンスでの情報交換を通じた新規プロジェクトの検討
- 生成AIなど、業務効率化やステークホルダーの利便性向上に貢献する取り組みの拡大
まとめ
麻布大学の「アンシンサイト」導入は、単なるシステム導入を超えて、大学のDX推進における重要なマイルストーンとなっています。保護者との情報共有を強化し、教育機関としての透明性と信頼性を向上させる取り組みとして、今後の高等教育機関におけるデジタル変革のモデルケースとなることが期待されます。
このサービス導入により、本学の学生情報に対するオープンな姿勢を示すことができ、保護者との信頼関係の構築にも大きく貢献しています。